タレッシュほど怠け者でわがままで、みんなから感謝された王子様がいるものですか!
これは、少し前のインドのおはなしです。
インドの山奥にあるボヌールという街には、お茶農園がたくさんありました。タレッシュは、ボヌールに住み学校に通っていましたが、勉強もせず遊んでばかり。先生からも手におえないはみ出し者として扱われていました。
困ったお父さんは、学校をやめさせ、タレッシュをお茶農園で働かせることにしました。ところがタレッシュは、開墾の場所でも、苗床の仕事でも、お茶の葉つみでも、やっぱり同じように仕事に身が入らず、怒られるばかりで、つとうお茶農園も追い出されてしまいます。
業を煮やしたお父さんは、仕方なくタレッシュを家から追い出してしまいました。
そんなタレッシュが、なぜお茶農園の王子になれたのでしょうか……。
★ おひさま堂からひとこと
どうしようもない鼻つまみ者の少年の成長物語です。お茶づくりの工程を知ることもできて、子どもたちは面白く聞いてくれます。
ただ、「役立たず、ばかもの、とんま、とうへんぼく、のらくら……」とタレッシュを罵倒する言葉の数々に驚かされます。
その点さえ気にならなければ、「自分でやる気にならないと、誰も助けてはくれないよ」という言葉が、じんわりと心に染み入ってきて、読者にやる気を起こさせてくれる絵本です。
書籍DATA
ウィリアム・パパズ:文/絵 あきのしょういちろう:訳新刊時定価: 1400円
出版社: 童話館出版
サイズ: 22×28.6cm / 32p
発行年月日: 2008/10/20 第1刷
本の状態
・表紙にはスレ・小キズなどあります。
・カバーはありません。裸本です。
・天地小口は綺麗です。
・本文は綺麗です。