作者の体験から描かれた、広島の原爆にまつわる物語
あのとき、わたしは、小学校の二年生でした。一年前から、広島には、小学生は一年生と二年生しかいませんでした。
三年いじょうのひとは、「がくどうそかい」といって、おとうさんやおかあさんのいる家をはなれて、とおいいなかの村で、べんきょうしていました。(本文より)
原爆だけが恐ろしかったのではない。
幼い子までが、苦難を強いられていた時代。
そんな中、登校の途中で閃光にあったゆみ子は、生き地獄とかした街をさまようことになるのです……。
★ おひさま堂からひとこと
淡々と綴られているように見えて、その実、読者の感情に訴えかけてくる作品です。
戦争の悲惨さを伝えるとき、事実を冷静に伝える場合と、感情に訴える場合がありますが、この作品は間違いなく後者でしょう。
「かわいそう」の根本にある戦争の恐ろしさを、小さな読者に感じてもらいたいなあと切に思います。
ほるぷ選定図書。
書籍DATA
今西祐行:作 遠藤てるよ絵新刊時定価: 不明 現在は 1296円
出版社: 偕成社
サイズ: 22.8 x 17.6 cm / 77p
発行年月日: 1994/8 第57刷
本の状態
・表紙にはスレ・キズなどあります。
・カバーはありません。裸本です。
・天地小口は汚れがあります。
・本文は綺麗です。