本の状態について
新刊本と違い古書には、どうしても経年による変化や欠点があります。ですから、実際の本を手にとってご覧いただけない通販では、お買い物に不安を感じるお客様もいらっしゃることでしょう。
そこでおひさま堂では、実際の商品の状態をイメージしていただけるように、以下のような形で状態をお知らせしております。
お客様の「こんなはずじゃなかった!」がなくなるように精一杯努めてまいります。個別の本の状態についても、ご不明な点やご不安な点などあれば、ご遠慮なく【お問い合わせ】ページよりご連絡ください。
1.「5段階」にわけておおよその状態を表示
弊店では、商品詳細ページにて、本の状態を、全体の印象からまずは以下の5段階に分けて、表示しています。
不良
汚れほかの傷みが強く、落丁や乱丁などの大きな瑕疵があるが、稀少であったり資料としての価値があるなどの理由で販売する状態
並下
汚れや傷みの程度は大きいが、お読みいただくには差し支えない状態
並
経年変化や汚れ・傷みなどもあるが、中古品としては普通の状態
並上
経年変化や汚れ・傷みなどが少なく、良好な状態
新品同様
新品もしくは新品同様の非常に良い状態
2. より細かな説明を付す
次に、下の表示例のように、状態画像の下に、より詳しい情報を記載します。商品の状態がわかるように写真を添付することもあります。
表示例
・表紙、特に背の部分に強いスレ、裏表ともに表紙に折れがあります。
・天地小口は綺麗です。
・奥付の部分に2㎜程の汚れがありますが、本文は綺麗です。
・付録の「絵本のたのしみ」はついていません。
・ソフトカバーの雑誌です。
※ 本文には、大きな欠点はありませんが、表紙部分のスレや折れはかなりのダメージに見えます。読めればよいという方に。
できるだけわかりやすい表現を心がけておりますが、本の部位を示すために「天地小口」のような専門用語を使わざるを得ない場合がございます。
そこで、次項では、状態の説明時によくでてくる本の各部位の名称について、ハードカバーの本を例に簡単にご説明します。
3. 本の各部位について
文字だけでは、わかりにくいかもしれません。
画像を参考に実物の本と照らし合わせてご覧いただくとわかりやすいと思います。
3-1 本の表面部分
表紙
本の一番外側の部分です。本を開きはじめる側の表紙は「おもて表紙」、読み終わって閉じる側は「うら表紙」となります。また、表紙の平らになっている部分を「平(ひら)」と呼びます。「書店で平積みになっていた!」などと言いますね。ヤケ(日焼けによる変色)のほか、キズやヘコミが生じやすいところです。
小口(こぐち)
本の断裁面のこと。天・地・前の3方向のいずれも指します。古本では、天の小口はほこりやごみなどが溜まりやすく、前小口は汚れが気になります。前小口だけをさして小口と呼ぶこともあります。
天・地
本の上部全体(天)と本の下部全体(地)をさす言葉です。
背
本を綴じている部分で、本の背中に当たります。ちょうど前小口の反対側ですね。本のタイトルや著者名、出版社などが書かれているので背表紙ともいわれます。
角(かど)
表紙の小口側の直角の部分。全部で4か所あります。普通は、90度に仕立てられますが、丸くなっているものもあります。また、装飾のために皮や金属を貼り付けることもあります。
花ぎれ
補強や装飾のために、上製本の背表紙の内側に張り付けた布のこと。背表紙の内側にちらりと見える綺麗な布で、花布ともいわれるおしゃれな部分です。
溝(みぞ)
表紙の背の部分の近くに作られている溝のこと。本を開きやすくするためのものです。溝のないものもたくさんあります。溝をつけるために手銀杏(ていちょう)というコテがつかわれるためか、溝のことを銀杏という人もいます。
栞紐(しおりひも)
布製の紐でできたしおりです。背と花ぎれの間にのりで止められています。古書では傷みやすい場所なので切れていることも……。スピンと呼ばれることもあります。
3-2 本の内側部分
見返し
本の中身と表紙部分を繋ぎ合わせる為の紙のこと。表紙に張り付けた方を「効き(または効き紙)」、貼られていない方を「あそび紙」と言います。(図1&2)
のど
小口から見て1番奥にあり、本を綴じている側に1番近いところ。本を開いても見えにくいので、たいていは余白になっています。
扉
本の「中身」の最初のページです。ふつうは書名、著者名、出版社名が印刷されています。本扉ともいわれます。
奥付(おくづけ)
本文が終わった後の、巻末にかかれている書誌情報の部分のこと。著者名・出版社・販売価格・サイズ・ページ数などに加え、版の変更回数や印刷回数なども書かれており、本の戸籍ともいえる部分です。古書マニアに人気の初版本かどうかは、こちらを見ればわかります。
この他にもありますが、とりあえず上記の用語がわかっていれば、古書店に状態を確認する時などもスムーズにやり取りできると思います。
ぜひお役立てください。